フリーアドレスデスクの選び方:快適で効率的なオフィス環境を実現するポイント

コラム

フリーアドレスを導入する企業が増えているものの、「どのようなデスクを選ぶべきか」「レイアウトや設備をどう整えるのがベストか」といった疑問を抱える総務担当者も多いのではないでしょうか。デスクの選定ひとつで社員の働きやすさや業務の生産性が大きく変わります。本記事では、フリーアドレスデスクの選び方を詳しく解説し、導入を成功させるポイントを紹介します。

フリーアドレスデスクを選ぶ際に考慮すべきポイント

フリーアドレスの導入を成功させるためには、適切なデスクの選定と環境整備が重要です。社員が快適に働けるオフィスを実現するため、次のポイントを押さえておきましょう。

適切なデスクサイズの選定

デスクサイズは、作業の快適さを左右する要素のひとつです。スペースの無駄をなくしながら、社員がストレスなく作業できるサイズを選ぶことが重要です。

  • 個人作業向けのデスク
     ノートパソコンを開きつつ、資料を広げるスペースを確保するためには、幅120センチメートル以上のデスクが必要です。奥行きも60センチメートル以上あると、モニターやキーボードを置いても余裕を持って作業ができます。
  • ミーティング用デスク
     複数人が座ることを前提とするため、最低でも180センチメートルの幅があると快適に会話や資料共有ができます。特に、対話を重視するチームでは、円形や楕円形のデスクを採用すると、全員が顔を合わせやすくなります。
  • オフィス全体のスペースに合わせて最適なバランスを考える
     
    デスクのサイズが適切でも、配置の仕方によっては動線が狭くなったり、空間が圧迫されることがあります。オフィスの広さと、想定される社員数を考慮しながら、デスクの配置を決めることが重要です。

オフィスのレイアウトと動線の最適化

デスクの配置によって、オフィスの使いやすさは大きく変わります。快適な動線を確保し、作業効率を上げるために、以下のポイントを意識しましょう。

  • 通路の幅を80センチメートル以上確保する
     
    デスク間の通路が狭いと、移動がしづらくなり、業務効率の低下につながります。最低でも80センチメートルの幅を確保することで、すれ違いやすく、ストレスなく移動できるようになります。
  • 静音エリアと会話が発生するエリアを明確に分ける
     
    集中して作業をするエリアと、コミュニケーションが活発なエリアを分けることで、社員が自分に合った環境を選びやすくなります。防音パーティションを活用すると、エリアの境界をより明確にすることができます。
  • カフェスペースやリフレッシュエリアを設置する
     フリーアドレスでは、固定の席がない分、休憩を取る場所が必要です。カフェスペースを設けることで、社員が適度にリフレッシュでき、生産性の向上につながります。

収納スペースの有無(個人ロッカー・共有収納)

フリーアドレスでは固定席がないため、社員の荷物管理が課題になります。快適に働ける環境を整えるため、適切な収納スペースを確保することが重要です。

  • 個人ロッカーの設置
     
    フリーアドレスでは、社員がデスクに荷物を置きっぱなしにすることができないため、個人ロッカーが必須になります。社員一人ひとりに小型のロッカーを提供し、ノートパソコンや資料、私物を収納できるようにすると、オフィスがすっきりします。また、ロッカーの鍵を管理しやすい電子ロックタイプにすると、運用負担が軽減されます。
  • 共有収納スペースの活用
     
    資料や文房具、会議用備品など、複数の社員が利用するアイテムは、共有の収納スペースにまとめると効率的です。オフィスの中央やミーティングエリア付近に設置することで、必要な時にすぐに取り出せる環境を作りましょう。
  • デスク下の収納スペースを活用
     フリーアドレスデスクの中には、簡易的な収納スペースが付いているタイプもあります。個人の荷物が最小限で済む環境であれば、デスクに一体型の引き出しや、デスク下に設置できるモバイルキャビネットを導入するのもおすすめです。

集中しやすい環境の確保(静音エリア・コミュニケーションエリアの分離)

フリーアドレスのオフィスでは、社員がそれぞれ異なる業務に取り組むため、静かに作業できるエリアと、打ち合わせがしやすいエリアを分けることが重要です。

  • 静音エリアの設置
     一人で集中して業務を行う社員のために、静音エリアを用意しましょう。防音パーティションを活用したり、周囲の視線を遮るブース型デスクを設置したりすることで、作業に没頭できる環境を作れます。また、ヘッドホンの使用を推奨することで、音の影響を最小限に抑えることも可能です。
  • コミュニケーションエリアの確保
     チームでの打ち合わせや、ちょっとした雑談が発生しやすいエリアを別途設けることで、オフィス全体の騒音を抑えつつ、社内コミュニケーションを活性化できます。会議室を使うほどではない短時間の打ち合わせができる「オープンミーティングスペース」を用意すると、業務効率も向上します。
  • 適切な配置によるゾーニング
     静音エリアとコミュニケーションエリアを明確に区分することで、社員が自分に合った環境を選びやすくなります。家具やパーティションを活用して、視覚的にエリアを分けると、より分かりやすい環境を作ることができます。

空調・温度管理(直射日光やエアコン風の影響)

フリーアドレスでは、社員が自由に座るため、空調や温度環境のバラつきに注意が必要です。快適なオフィス環境を維持するために、以下のポイントを考慮しましょう。

  • エアコンの風が直接当たらないようにする
     デスクの配置によっては、エアコンの風が直接当たり、寒すぎる、または暑すぎるといった不満が生じることがあります。エアコンの風向きを調整できるようにしたり、直接風が当たらないようにデスクの配置を工夫したりすることが重要です。
  • 直射日光の影響を考慮する
     窓際の席は、季節によっては日差しが強く、PCの画面が見えづらくなることがあります。ブラインドや遮光カーテンを設置し、適切に調整できる環境を整えましょう。
  • 温度の感じ方の違いに配慮する
     同じ温度設定でも、人によって暑い・寒いと感じ方が異なります。オフィス全体の空調管理を行いつつ、寒がりの社員にはブランケットを用意したり、一部の席にデスクヒーターを設置するなど、個別対応できる環境を整えるとよいでしょう。

デスク予約や管理システムの導入可否

フリーアドレスでは、席の確保が社員のストレスになる場合があります。そのため、デスクの予約や利用状況の可視化ができる管理システムを導入すると、円滑に運用しやすくなります。

  • デスク予約システムの活用
     一部の企業では、デスクを予約制にすることで、毎朝の席取り合戦を回避しています。スマートフォンアプリやPCから簡単に予約できるシステムを導入すれば、社員が確実に自分の希望する環境を確保できるようになります。
  • 利用状況の見える化
     デスクにセンサーを設置し、どの席が空いているかをリアルタイムで把握できるシステムを導入すると、空席を探す手間を減らすことができます。特に、大きなオフィスでは、このようなシステムの導入が効果的です。
  • 運用ルールの整備
     予約システムを導入する場合、一定時間以上利用されなかった席を自動キャンセルする機能を設けると、無駄なスペースの占有を防ぐことができます。また、席の長時間占有を避けるためのルール作りも重要です。

清掃・メンテナンスの管理

フリーアドレスでは、複数の社員が同じデスクを使用するため、清潔な環境を維持することが大切です。

  • デスクの定期清掃を実施する
     共有スペースでは、衛生管理が特に重要です。毎日の清掃スケジュールを決め、使用後に簡単に拭き掃除ができる環境を整えましょう。清掃業者に委託するほか、社員が使用後にデスクを拭く習慣をつけることも有効です。
  • 消毒アイテムの設置
     机やマウス、キーボードを簡単に消毒できるアルコールシートやスプレーを設置し、誰でも手軽に清掃できる環境を作りましょう。特に風邪やインフルエンザの流行時期には、消毒習慣を徹底することで、感染予防にもつながります。
  • 配線の整理と点検を定期的に実施
     デスク周りの配線が乱雑になっていると、ほこりが溜まりやすく、火災のリスクも高まります。配線トレイを活用してコードを整理し、定期的に点検を行うことで、安全性を向上させることができます。

     

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フリーアドレスデスクの種類と特徴

フリーアドレス環境では、デスクの種類によって働きやすさが大きく変わります。オフィスの目的や社員の業務内容に適したデスクを選びましょう。

スタンダードデスク(一般的なデスク)

最もシンプルな形状のデスクで、フリーアドレス環境でも多くの企業で採用されています。

  • シンプルで汎用性が高い
     余計な機能を持たず、デスクワークに必要な基本機能のみを備えたデスクです。シンプルなため、どのようなオフィス環境にも適応しやすく、コストも比較的抑えられます。
  • サイズや形状のバリエーションが豊富
     幅120センチメートル〜160センチメートル、奥行き60センチメートル〜80センチメートル程度のものが一般的で、社員の業務内容に応じて適切なサイズを選ぶことができます。
  • 仕切りを追加することでプライバシーを確保
     フリーアドレス環境では、スタンダードデスクに簡易的な仕切りを設けることで、社員ごとの作業スペースを分けることが可能です。集中力を維持したい場合には、デスクパネルやパーティションを活用するとよいでしょう。
  • 収納オプションを追加して利便性を向上
     一般的なデスクは収納がないものが多いため、個人ロッカーやデスク下ワゴンを組み合わせることで、快適な作業環境を整えられます。

ブース型デスク

ブース型デスクは、仕切りがついており、周囲の視線を遮ることで集中力を高める効果があります。

  • 集中作業に最適
     周囲の音や視線を遮るため、個人での作業に集中しやすくなります。特に、リモート会議や機密情報を扱う業務では、ブース型デスクが効果的です。
  • 適度なプライバシーを確保
     仕切りがあることで、周囲の雑音を軽減しながら、適度なプライバシーを確保できます。電話対応が多い社員や、クリエイティブな作業を行う社員にとって、快適な環境を提供します。
  • デスクのサイズによっては圧迫感があることも
     仕切りが高すぎると圧迫感を感じることがあるため、開放的な空間とバランスを取りながら設置することが重要です。

キャスター付きデスク

キャスター付きデスクは、移動が容易でオフィスのレイアウト変更に柔軟に対応できるのが特徴です。

  • レイアウト変更がスムーズ
     プロジェクトの内容やチーム構成の変化に応じて、簡単にデスクの配置を変えることができます。定期的にオフィスのレイアウトを変更したい企業には特におすすめです。
  • 個人作業とグループ作業を両立
     必要に応じてデスクをまとめて広い作業スペースを作ることができるため、個人作業とグループ作業の切り替えがスムーズに行えます。
  • 清掃がしやすい
     キャスターが付いていることで、デスクの移動が簡単になり、床の清掃がしやすくなります。定期的にデスクを動かして清掃を行うことで、オフィスの清潔感を維持できます。

大型ロングデスク

大型ロングデスクは、オープンな作業スペースを確保でき、複数人が同時に作業できます。

  • チームのコミュニケーションを活性化
     仕切りがないため、部署やチームを超えた交流が生まれやすくなります。オープンな環境で働くことで、情報共有がスムーズになり、コラボレーションが促進されます。
  • スペースの有効活用
     複数人が一つのデスクを共用することで、個別にデスクを配置するよりもスペースを節約できます。特に、広さに制約があるオフィスでは、大型ロングデスクの活用が有効です。
  • パーソナルスペースの確保が必要
     ロングデスクでは、個々の作業スペースが曖昧になりやすいため、間仕切りやパーテーションを活用して、適度なプライバシーを確保する工夫が求められます。

円形デスク

円形デスクは、対面でのコミュニケーションを重視する場面で役立ちます。

  • 会話がしやすく、自然な対話を促す
     円形のテーブルでは、どの席からでも顔を合わせやすく、会話が自然と生まれやすくなります。特に、ブレインストーミングやカジュアルな打ち合わせに向いています。
  • 視線が交差しやすく、フラットな議論が可能
     長方形のデスクと異なり、上座・下座の概念が生まれにくいため、フラットな関係で意見交換がしやすくなります。
  • スペース効率に注意が必要
     円形デスクは、通常の長方形デスクよりもスペースを必要とするため、配置する場所を慎重に検討する必要があります。広い会議室やオープンスペース向きです。

姿勢を変えられるデスク

長時間のデスクワークは、姿勢の悪化や体調不良の原因になりやすいため、姿勢を変えられるデスクを導入することで、健康的な働き方を実現できます。

  • スタンディングデスクの活用
     立ったまま作業できるスタンディングデスクを導入すると、腰痛の軽減や血流の改善に役立ちます。また、立ち作業を取り入れることで、短時間のミーティングがスムーズになり、業務の効率化にもつながります。特に、長時間座りっぱなしになりがちな職種では、定期的に姿勢を変えられる環境を整えることが重要です。
  • 昇降式デスクの導入
     座る・立つを自由に切り替えられる昇降式デスクは、個々の社員が自分の快適な姿勢を選べる点が大きなメリットです。電動式のものを選べば、ボタン一つで高さを調整できるため、作業スタイルに合わせた柔軟な環境を作れます。
  • 姿勢改善をサポートするアイテムの活用
     デスクの高さ調整に加えて、エルゴノミクス(人間工学)に基づいた椅子やフットレストを併用することで、より快適な作業環境を実現できます。長時間の作業による体への負担を減らすためにも、適切なデスク環境を整えることが大切です。

     

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フリーアドレスデスク選びの注意点

フリーアドレスデスクを導入する際は、快適さや利便性だけでなく、運用上のリスクにも注意する必要があります。計画なしに導入すると、オフィス環境の悪化につながる可能性があるため、以下のポイントを事前に確認しましょう。

適切なデスクを選ばないと、社員の働きにくさにつながる

業務内容に合わないデスクを選んでしまうと、作業しづらくなり、社員の生産性が低下する可能性があります。たとえば、デスクワーク中心の職種なのに狭いデスクを導入すると、モニターや資料を広げるスペースが足りず、業務のしにくさを感じることになります。逆に、チームワークを重視する環境で個別ブース型のデスクを多く配置すると、コミュニケーションが取りづらくなり、業務に支障をきたすこともあります。デスクの選定は、社員の働き方に合わせて慎重に行いましょう。

将来的なレイアウト変更の柔軟性を確保しないと、運用が難しくなる

企業の成長や業務内容の変化に伴い、オフィスのレイアウトを変更する必要が生じることがあります。しかし、固定されたデスクを導入すると、レイアウト変更が難しくなり、柔軟な運用ができなくなる可能性があります。そのため、キャスター付きデスクやモジュール式デスクを導入し、レイアウトを変更しやすい環境を整えることが重要です。また、電源や配線の配置も、デスクの移動が容易になるように設計しておくと、将来的な変更がスムーズに行えます。

 

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デスク周りの配線管理のポイント

フリーアドレス環境では、デスクを複数の社員が使用するため、配線の管理が重要になります。配線が乱雑になると、作業スペースが狭くなり、事故のリスクも高まるため、適切な管理を行いましょう。

配線整理を助けるおすすめツール

  • ケーブルダクトや配線トレイの活用
     デスクの裏側にケーブルを収納できる配線トレイを設置すると、コードが床に散乱するのを防げます。見た目がすっきりし、清掃のしやすさも向上します。特に、オフィス全体の美観を損なわないよう、ケーブルを隠せる設計のデスクを選ぶのも一つの方法です。
  • コードクリップや結束バンドの使用
     充電器やモニターケーブルなど、頻繁に使用する配線が絡まないよう、コードクリップや結束バンドを活用しましょう。デスクの側面や裏に固定することで、作業スペースを広く保つことができます。
  • ワイヤレス機器の活用
     キーボードやマウスをワイヤレス化することで、デスク上の配線を大幅に削減できます。さらに、ワイヤレス充電機能を備えたデバイスを導入すれば、充電ケーブルの本数も減らすことが可能です。

デスク周りをすっきり保つ配線のコツ

  • 電源タップをデスク下に固定
     デスクの上に電源タップを置くと、配線が目立ち、作業スペースが圧迫されてしまいます。デスクの裏側や脚部分に電源タップを固定し、ケーブルをまとめることで、すっきりとした環境を維持できます。
  • 不要なケーブルは極力減らす
     使用しないケーブルは取り外し、必要な配線だけを整理することで、オフィスの美観を維持できます。特に、複数のデバイスを使用する環境では、配線が煩雑になりがちなので、必要最小限のケーブルで運用することを意識しましょう。
  • デスクごとの配線ルールを統一する
     すべてのデスクで統一した配線管理ルールを設けると、オフィス全体の整理整頓がしやすくなります。配線トレイの設置方法や、コードの収納ルールを統一し、誰が使ってもスムーズに利用できる環境を整えましょう。

     

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まとめ

フリーアドレスデスクを導入する際は、デスクの種類やサイズ、オフィスのレイアウト、収納スペース、配線管理など、多くの要素を考慮する必要があります。社員の働きやすさと業務の効率性を両立させるため、本記事で紹介したポイントを参考に、最適なデスク環境を整えましょう。適切なデスク選びと環境整備を行うことで、快適な職場環境を実現し、社員の生産性向上にもつながります。

 

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