オフィス回帰で「顔を合わせる」価値とは|対面が生む3つの効果と、価値を最大化するための働き方を解説

コラム

コロナ禍を経て働き方が多様化する中、「オフィス回帰」の流れが加速しています。しかし、その一方で「なぜ今、出社する意味があるのか」という問いに、多くのリーダーが頭を悩ませているのではないでしょうか。

この記事では、単なるメリット・デメリットの紹介に留まらず、オフィス回帰の本質と、私たちが「顔を合わせる」ことの本当の価値を深掘りします。国内外のデータを基に、これからの時代に求められる働き方をデザインするための新たな視座を提供します。

今あらためて問われる「オフィス回帰」の背景

パンデミックを機に急速に普及したテレワークは、働き方に大きな変革をもたらしました。
しかし、その一方で新たな課題も浮上し、企業は「出社か在宅か」の二者択一ではない、より柔軟な働き方へと舵を切り始めています。

テレワークの定着によって見えてきた新たな課題とは

テレワークは、通勤時間の削減やワークライフバランスの向上といった恩恵をもたらす一方で、コミュニケーションにおける課題を浮き彫りにしました。テレワークの課題として「社内のコミュニケーションに課題がある」と考えている企業の割合は依然として高い水準にあります。画面越しのコミュニケーションでは、偶発的な会話や気軽な相談が生まれにくく、組織としての一体感が希薄になることが懸念されています。
オフィス回帰の流れは、この失われたコミュニケーションの「質」を取り戻そうとする動きの表れなのです。

出社の「目的」を問い直す時代に

この潮流は、私たちに「何のためにオフィスに集まるのか?」という、より本質的な問いを投げかけています。
国土交通省の調査でも、完全なオフィス勤務でもフルリモートでもない、「ハイブリッドワーク」を選択する層が拡大しています(※1)。単に場所を往復するのではなく、オフィスでしか得られない価値を最大化するという戦略的な視点が、今、不可欠になっているのです。

 

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「顔を合わせる」ことで生まれる3つの本質的価値

オフィスという物理的な空間で顔を合わせることには、オンラインでは代替が難しい本質的な価値が存在します。
それは、イノベーションの創出、信頼関係の構築、そして組織文化の継承という、企業が持続的に成長するための根幹をなす要素です。

1. 偶発的な会話が新しいアイデアや発想を生む

計画された会議やチャットツールでのやり取りだけでは、真に新しいアイデアは生まれにくいものです。
廊下での立ち話やコーヒーブレイク中の何気ない雑談といった、意図しない偶発的なコミュニケーションから生まれる「セレンディピティ」こそが、イノベーションの重要な源泉となります。異なる部署のメンバーとの予期せぬ対話が、既存の枠組みを超える発想や、複雑な問題解決の糸口に繋がるのです。
オフィスは、こうした創造的な偶然が生まれる「場」としての価値を秘めています。

2. 言葉以外のコミュニケーションが信頼関係の構築を深める

私たちのコミュニケーションは、言葉だけで成り立っているわけではありません。
相手の表情や声のトーン、頷きや視線といった非言語的な情報が、メッセージの真意を伝え、感情的な繋がりを育みます。対面での会話は、この豊かな非言語情報を共有できるため、相互理解が格段に深まります。特に、意見が対立する場面や、複雑な交渉を行う際には、言葉の裏にあるニュアンスを汲み取ることが不可欠。
本音で議論できる強固な信頼関係は、同期的なコミュニケーションの場でこそ育まれるのです。

3. 言葉にならない暗黙知や企業文化を伝えやすい

企業理念や行動指針といった明文化されたもの(形式知)とは別に、組織には「暗黙知」として根付く独自の文化や価値観が存在します。これらは、先輩社員の仕事への向き合い方や、困難な状況での判断プロセスを間近で観察し、共に体験することでしか伝承されにくいものです。
特に新入社員や若手社員にとって、オフィスは業務スキルだけでなく、組織人としての振る舞いを学ぶ重要な学びの場です。対面でのOJTやメンタリングを通じ、言葉では教えきれない実践的な知恵が受け継がれていきます。

 

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対面の価値を最大化する未来の働き方とは

「顔を合わせること」の価値を再認識した上で、重要なのはそれをいかにして未来の働き方に組み込むかという視点です。単に出社を義務付けるのではなく、業務の目的や性質に応じて働く場所を戦略的に選択し、誰もが公平に機会を得られる仕組みを設計することが、これからの企業には求められます。

戦略1:業務目的に応じて働く場所を柔軟に使い分ける

これからの働き方は、オフィスか在宅かという二元論で語るべきではありません。重要なのは、業務内容に応じて働く場所を柔軟に使い分けるという発想です。
例えば、高度な集中を要する企画書の作成やデータ分析は在宅で行い、複数のメンバーによるブレインストーミングや複雑な意思決定はオフィスに集まって行う、といった形です。
働く時間や場所を柔軟に組み合わせることで、生産性の向上とワーカーの自律性の両立を目指すことが、一つの最適解と言えるでしょう。

戦略2:オフィスを人と人が交わるコラボレーション拠点にする

働く場所が多様化する中で、オフィスの役割そのものが見直されています。単に机が並ぶ「作業場所」から、人々が目的を持って集い、アイデアを交わす「コラボレーション・ハブ(協業拠点)」へと価値を転換する動きが、国内外で加速しています。一般社団法人ニューオフィス推進協会の調査によれば、今後のオフィスに求められる機能として「インタラクションやコラボレーションに代表される協働の支援」が重視されています(※2)。
最新のツールを備えた協業スペースや、偶発的な交流を促す空間設計など、対面の価値を最大化するための投資が、企業の競争力を左右する時代になっています。

戦略3:働く場所に左右されない公平な評価と情報共有を設計する

ハイブリッドワークが定着する上で、避けては通れないのが公平性の問題です。オフィス勤務者が優遇されていると感じさせる「近接バイアス(身近な人を高く評価する傾向)」は、組織の分断を招きかねません。
実際に、Live Data Technologiesが2024年に実施した人事データ分析によると、フルリモート勤務者はオフィス勤務者より「昇進する確率が約31%低い」(※3)というデータもあります。従業員のエンゲージメントは、働く場所そのものよりも上司との関係性に大きく左右されるとされており、コミュニケーション設計の欠如は、経営リスクに直結するのです。チームで出社日を揃えるなど、場所にとらわれず公平な機会を意図的に設計することが、これからは不可欠です。

 

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まとめ

オフィス回帰の本質は、過去の働き方に戻ることではなく、対面の価値を再発見し、未来の働き方を創造するプロセスにあります。唯一の正解はありません。
この記事をきっかけに、ぜひ自社に以下の問いを投げかけてみてください。

・私たちの組織にとって「顔を合わせるべき業務」とは何か?
・その価値を最大化するために、オフィスの空間や役割をどう変えるべきか?
・リモートと出社の間で、評価や情報共有の公平性をどう担保するか?

こうした対話から、自社らしい働き方の探求が始まるはずです。

 

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出典
※1/国土交通省:「令和5年度 テレワーク人口実態調査」https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001733057.pdf
※2/一般社団法人ニューオフィス推進協会:ニューノーマル時代のオフィスづくりに関する調査報告書 https://www.nopa.or.jp/pub/org/back_number/R113.html
※3/Live Data Technologies:Remote Workers Received 31% Fewer Promotions Than Office Colleagues https://www.linkedin.com/news/story/want-a-promotion-dont-wfh-5635801/